慎重論の台頭

セラミックスの移植は、ある場合には抜くしかない歯を劇的に再生させる為、極めて有意義であるとも言えます。しかし、適応症を厳しく判定し、人工骨を移植すると同時に、病因除去を並行してそれもきちんとやらなければ、結局失敗する事がしばしばあります。アメリカでは、セラミックスの移植材が製品化されています。開業医の間で人工骨移植がかなり頻繁にされていました。ところが、アメリカの歯学会では、この移植の安易な使用をめぐって慎重論が台頭しているのです。数年前まで毎号のようにセラミックスの移植材の広告を掲載していた学会誌が最近では広告を見合わせているのです。その為、アメリカの悲劇を繰り返さないか心配する声も聞こえてきます。アメリカ製と日本で使用されているアパタイトは、製法や成分が多少違っています。しかし、セラミックの移植材としてはいずれも、威力を発揮するケースはかなり限られていると言ってよさそうです。有望であるとは思いますが、まだ結論は言えないのが現状でしょう。